美しい冬

昨晩の冷え込みで、鳥屋野潟(とやのがた)が凍結。今年2度目の凍結、こんな年はそうそうない。潟に張る氷は、強風の影響を受け波打った形状になるという。冷え込みが強まると、空気が澄み、美しい風景が広がる。厳しい寒さの対価は、自然の美しさ。これも足元の豊かさである。

かつて漁を生業とした鳥屋野潟の漁師は、凍結した潟でも漁をしたそうだ。万が一のためにハシゴをもちだし、舟ではなく氷の上を歩いて漁にでる。

投網はできないが、張った網に魚を追い込む刺網はできる。氷に穴を開け、棒で湖底をかきまぜ水中を濁らせる。そうして網を張った方向へ魚を誘導し、引揚げるそうだ。極寒の時期が、潟魚の旬である。

生業漁師のいなくなった今、その光景は見られないが、経験者の話からは豊かな潟の営みと風景が鮮やかに想像できる。かつて暮らしを支えた恵みの潟は、人々に「生活の知恵」をもたらし、美しい営みを生み出した。

自然とともにある暮らしの中で生まれた知恵や営みが、この地の地域資源だ。



SHU.

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