創ることへのシンプルな思考
創るということにおいては追究したい。
様々な案件があり、様々なクライアントがいて、様々な事情がある。
そんな「様々」に対応しながら、深くにある真意や本質を汲み取り、最適な形でかつ新鮮さを持って表現したい。
微妙なズレで生まれた誤差は、いつか大きな乖離になる。
クライアントの反応に微妙な違和感を持ったり、逆にこちらの表現をぶっ壊す要望もある。
クライアント想いに対して敏感に察知し、齟齬を生まぬよう表現に落とし込む。
落とし込んだ表現に的確な思考と思想を持ち合わせていれば、そこに共感できるクライアントは表現者としての尊厳を理解し、ともに前に進める。
逆に、その尊厳に敬意のないクライアントは、ゼロから形が見え始めた途端に自身が「にわかデザイナー」となり、表現の破壊者と成り下がる。
表現者が想いの誤差を感じ取れない時、クライアントが表現者の尊厳を見失った時、両者のバランスは崩れる。
お互いに誠実さを持ち合わせ、表現者は表現者たるべきで、クライアントはクライアントたるべきで。(要望や違和感はしっかりと伝えるべきで。)
商業デザインを生業とする表現者として、クライアントの微妙な温度変化を察知しつつも、何よりも「ベストなデザインを創る」というシンプルで力強い軸を忘れてはいけない。
何よりかっこいいものを。
何より美しいものを。
ただただシンプルにそれを追究することが表現者としての責任。
その追究の先に、表現者としての幸福がある。
ベストを出すからこそ、建設的議論ができる。
それなしで、クライアントの幸せも創れないのだ。
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