オリジナルクラフトビールをつくりました

米消費の転換点とクラフトビール『ŌHARA CRAFT』

2016年から、新潟県上越市・安塚区の大原集落に通って米や野菜をつくり、自身の生き方に向き合いながらまちと関わる取り組みを続けています。集落内にある「東府屋」という屋号の古民家を拠点としたことから、「TOUFUYA PROJECT」として東京に住む友人たちと共に活動しています。

2年間の活動の中で、自身含め時の人々(特に同世代)が「米を消費しない」ということを身を以て感じました。消費する米はすでに入手経路が決まっている人も多く、たった2反歩の圃場で自分が作った米の全量を食べたり、贈ったり、売ったりするということが、現代においていかに難しいことかを実感しました。

そんな状況の中で「米を米として食すこと」の転換点を、肌感覚で感じました。

そもそも、僕が米をつくり始めた原点には「自分の生きるということを、自分自身でつくりたい」という思いがあり、根本となる食をまずはつくってみようということがきっかけでした。そして「自分にとっての豊かに生きること」を考えた時に、人間関係やコミュニケーションの大切さも改めて感じていました。

そこで着眼したのが「クラフトビール」。クラフトビールが好きだったこともあり、それが食やコミュニケーションの時間をふくよかなものにすることを体験していました。そんなクラフトビールが自分オリジナルのストーリーを持っていたら、その時間をより深いものにできると考えたわけです。

そして周囲には「ご飯は食べないけど、お酒は好き」という人が多数いることも感じ、「米を米として食さない消費のかたち」として、自分でつくった米を使ったクラフトビールをつくってみよう、ということになったのです。

そんな経緯で、今回つくったクラフトビールが『ŌHARA CRAFT』。

安塚・大原で僕たちが育てたコシヒカリを副原料にした、ベルジャンペールエールスタイルのクラフトビールです。高知県産の文旦も同じく副原料として使用し、文旦のフルーティな香りとコシヒカリのまろやかな口当たりが特徴のクラフトビールに仕上がりました。

そして“大原のDNAを持ったクラフトビール”として土着性を大切にしたいと、ŌHARA CRAFTと名付けました。


価値を高める関わりの掛け算

ŌHARA CRAFTをつくるにあたり、多くの人が想いや力を掛け算してくれました。足し算でなく掛け算されることで、価値の広がりや深まりが大きくなったような気がします。

まず、醸造に力を貸してくださったのが、新潟市にある「発酵の町 沼垂ビール」の高野社長。上記のような僕の想いを汲み取り、醸造レシピに反映してくださいました。ベルジャンスタイルのクラフトビールは沼垂ビールとしても初めての挑戦だったそうで、僕の挑戦と高野社長の挑戦が掛け算された、ある意味で挑戦的な遺伝子を持ったクラフトビールになりました。

発酵が進む約1ヶ月間の途中経過も逐一丁寧に報告をしてくださったおかげで、仕込みから仕上がりまでのプロセスも深まりました。


ラベルデザインを手がけたのは、U・STYLEのデザイナー村山瑞季さん。これまでもTOUFUYA PROJECTのパッケージやツールのデザインを手がけてくれていて、一緒に創りあげてきてくれたデザイナーです。


そして、東京から足繁く通い一緒にTOUFUYA PROJECTで汗を流してきた“ひさ”や、泥田での過酷な稲刈りに挑んだ仲間たち、大原に足を運んでくれた多数の方々、快く受け入れ力を貸してくれた大原集落の方々の存在も、すべてŌHARA CRAFTに掛け合わされています。

ここにも記載しきれない多数の掛け算が、僕にとってのこのクラフトビールの価値を高め、深めています。

この掛け算には、今後ŌHARA CRAFTを飲み、共に時間を過ごす方々も掛け合わされていくのだと思います。


そんなŌHARA CRAFTを、5月13日(日)に開催する潟マルシェでお披露目します。地域の食文化をフードデザインで再編集するキッチントラックMulletで、樽を開栓し提供します。

Ethical & Craftlife をコンセプトに、新潟ローカルライフスタイルを提案する水辺のマルシェです。ぜひお立ち寄りください。

※潟マルシェではカップでの提供となります


また、ぜひŌHARA CRAFTを飲みに、新潟に、大原にお越しください。

その土地の環境が生み出した食は、その土地で食すこと。これも、食の在り方としてとても豊かで大切なことだと思っています。

ビールの1杯くらいは、ご馳走しますので。


ŌHARA CRAFT

BEER STYLE:BELGIAN PALE ALE

BREWERY:発酵の町 沼垂ビール

RICE FARMER:TOUFUYA PROJECT

PRODUCE:U・STYLE

DESIGN:MIZUKI MURAYAMA

※ラベルデザインは変更になる場合があります










SHU.

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